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7億円を調達し、ARクラウドプラットフォーム「Pretia」の世界展開を加速

ARクラウド「Pretia」を研究開発するプレティア・テクノロジーズ株式会社(以下「プレティア」)は、本ラウンドにてSBIインベストメント、電通グループ、小学館、アダストリア、SMBCベンチャーキャピタル、他エンジェル投資家から総額約7億円の調達を完了したことをお知らせします。

今回調達した資金は、プレティアが手掛けるARクラウドプラットフォーム「Pretia」が、エンターテインメント・小売・製造・教育・広告・建築等あらゆる産業で活用される基盤となるよう、開発体制の強化・製品品質の向上・開発者コミュニティの支援に充てる予定です。

■ AR市場の現状とプレティアの仮説

AR市場は、2022年以降は年率約40%の急成長が見込まれ、2030年にはグローバルで13.2兆円まで成長すると予測されています。(※1)。

モバイル端末・OSプラットフォーマーの動向としては、AppleやGoogleもAR関連の機能拡張を着実に進めています。

またARグラス時代の幕開けもいよいよ期待され、Meta CEOのマーク・ザッカーバーグ氏がAR機能のデモを投稿したProject Cambriaは2022年末のリリースが噂され、Appleについても2023年にはARグラスをリリースするのではないかと予測されています。

ARグラス向けのコンテンツやソリューションの需要増加にともない、簡易に高品質なARアプリを開発するプラットフォームの必要性も急速に増すと考えることができます。

大手各社のARに関する取り組みがニュースとなる一方で、ARによって日々の生活が楽しくなった・便利になった、という実感を持つ人の数は、依然多くないと考えます。現状のスマートフォンでも十分にARを体験する下地はあり、デバイスの普及が期待されているにもかかわらず、なぜARの活用が進まないのか。プレティアは大きく3つの理由があると考えています。

1. 現実とAR体験に乖離があること

ARオブジェクトをユーザーが選んだ場所に出現させたり、 QRコードや画像を読み込むことでAR体験ができるサービスは多く存在します。しかしQRコードや画像を利用する時点でリアリティを大きく損なってしまい、また「開発者が意図した場所に、意図した大きさ・向きでARオブジェクトを、さながら現実の物体のように出す」ということも困難でした。現実世界の物理法則を共有した、ユーザー負担のないAR体験の設計・開発の難易度は非常に高いものでした。

2. 複数人で体験するARが多く存在しなかったこと

「同じAR体験を、複数人で同時におこない、一人のおこなった行動の結果が他のユーザーにも反映される」といった同期的体験を開発するには、さまざまなツールを自分なりに組み合わせ、多くのステップを踏むことが必要でした。

3. 開発コストがかかりすぎていたこと

リアリティをもつAR体験の開発には、重たい処理をフロントエンド・バックエンドに適切に分散する等、高度かつフルスタックな開発能力が求められていました。

そのためアプリケーションの開発コストが大きく、採算が合わないとされたためスタートできないプロジェクトが多くありました。

プレティアは、上記3つの課題解決を目指し、ARクラウドプラットフォーム「Pretia」の開発・提供をおこなっています。

現実世界の文脈を活かしながら、複数人でAR体験が共有でき、開発コストも抑えられるARクラウド「Pretia」によって、楽しく便利なARが溢れた世界を実現していきます。

※1:Fortune Business Insights Augmented Reality Market Size

https://www.fortunebusinessinsights.com/augmented-reality-ar-in-automotive-market-105593

■ ARクラウド「Pretia」とは

ARクラウド「Pretia」は、空間をデータ化し、そのデータをもとにしたAR体験を簡単に作ることができるプラットフォームです。

一般に提供されているAR開発ツールのなかでも、「Pretia」を使って開発したAR体験は、特徴点を活用した精度の高い自己位置推定で空間に埋め込まれたコンテンツを呼び出し、特定地点において複数人で同時に体験できる、という特徴を持っています。この特徴から、現実世界の”上”に構築されたARではなく、現実世界の”中”に溶け込んだAR体験の提供を可能にします。

「Pretia」を世界中で使われるプラットフォームにすべく、日・英両言語に対応し、EUを除く全世界に向けて4/26にリリースしました。既に5カ国以上のユーザーが利用しています。

<主な機能の紹介>

機能1 空間のデータ化

機能2 SDKによるUnityとの連携

機能3 アプリでのリローカライズ(空間把握と自己位置推定)

機能4 アプリでのマルチプレイ(複数人での同時AR体験)

■ 投資家コメント

株式会社小学館 
XR事業推進室 室長 嶋野 智紀氏

小学館は紙の本の出版に始まり、映像化、イベント、そしてWEBサイトまで、時代に合わせた様々な方法でメディアを展開してきました。その延長上に、プレティアへ出資させていただいた理由があります。「街そのものをメディア化する」という新たな試みを、プレティアが持つAR技術によって実現させたいと考えております。

その技術とは、空間へのオブジェクト配置や複数人同時体験機能に優れた可能性を持つARクラウドプラットフォーム「Pretia」です。この技術の活用と、小学館が持つコンテンツ力、それぞれの強みを活かして「街のメディア化」実現に向け取り組んでいます。

株式会社アダストリア
常務取締役 金銅 雅之氏

昨今のファッション業界は、コロナ禍を経て大きな変革期を迎えています。アダストリアでは、デジタル領域における顧客接点の最大化を2025年に向けた成長戦略のひとつとして掲げており、変革をより一層加速させるため、社内外の様々なパートナーの知見を必要としています。

私たちはプレティア・テクノロジーズのように斬新な技術を有するスタートアップとの協業・出資に積極的に取り組み、お客さまへの新たな価値を提供してまいります。

SBIインベストメント株式会社
投資部 マネージャー 橋詰 潤氏

AR市場が本格的に立ち上がり始めApple社、Meta社含め世界中のテクノロジー企業が多額の資金を投下し本気でユースケースを作りにきています。プレティア・テクノロジーズは、まだ勝者のいないAR開発プラットフォーム領域においてグローバルに渡り合えるチームと実績があると考えております。

牛尾社長を筆頭に事業推進力が高いメンバーが揃っているので、大企業や行政との連携事例もこれから更に増えていくことが予想されます。

次世代メディアであるXRのリーディングカンパニーとしてプレティア・テクノロジーズ社が成長していくストーリーに、一株主として関わることができることに大変興奮しております。全力で支援して参ります。

株式会社電通グループ
電通イノベーションイニシアティブ シニア・マネージャー 仲子 佳菜氏

(株)電通グループ内のグループR&D組織である電通イノベーションイニシアティブでは、XR領域におけるR&Dや投資、そして事業基盤構築をグローバルで進めて来ました。

 その中でもARは非常にエキサイティングな技術であり市場であると捉えています。すでに私たちは日々デジタル空間と物理空間それぞれで、仕事や買い物をしたりコンテンツを楽しんでいます。これらの体験がより滑らかに繋がることで、人間のイマジネーションが、デジタル空間に留まらず現実空間でも人生を豊かにする。その基盤となるのがARだと捉えており、弊社グループの事業ドメインの一つであるエンターテインメントやマーケティング・プロモーションにおいても大きな可能性をもたらすものと感じています。

 プレティア社は基盤技術のARクラウド開発を行いながら、ロケーション型のエンターテイメントや小売・製造業など社会実装のため、エンドユーザーの体験設計・アプリケーションの開発・運営にも向き合ってこられました。プレティアの皆さんの挑戦を応援すると共に、異なる得意分野を持ったパートナーとして、社会や人生を豊かするARの社会実装に貢献できれば嬉しいです。

SMBCベンチャーキャピタル株式会社
投資営業第一部 部長代理 渡辺 雄太氏

今回、ARの未来を信じ、不断の開発を進めてきた牛尾さんはじめプレティア・テクノロジーズの皆様とご一緒することができ、大変光栄に思います。

4月にローンチされたARクラウドプラットフォーム「Pretia」は、AR利用におけるユーザーの煩わしさや開発側の技術・コスト負担の解決に寄与します。

ARのもう一段の浸透に於いて、この「Pretia」が果たす役割は大きく、機能面で既に世界に伍するサービスであると考えております。

今後、幅広く利用されることで、ARの滑らかな社会実装がなされていくことを期待しておりますし、SMBCグループとしても確りとご支援できるよう努めて参ります。

■「ARで世界をアップデートする」仲間を募集しています

プレティア・テクノロジーズでは、下記の職種についての採用を強化しています。少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひご連絡ください。

・Culture Deck:

・採用サイト:https://pretiaar.notion.site/pretiaar/Pretia-Technologies-Hiring-039a32bd374e4519bf9fa63d7a93505f

スタイリング・撮影場所提供:株式会社アダストリア(https://www.adastria.co.jp/